子供用の傘でお馴染みなのは、黄色い蛍光色の生地が目立つタイプです。雨の日でも視認性が高いので、車から発見しやすいことがポイントになります。霧が出ているような視界の悪い時や夜間でも、こうした膨張色は目立つ分だけ安全性が高いことがメリットです。反対にネイビーや黒などの収縮色と呼ばれるカラーチャートは、夜間では暗闇と同調してしまうのでライトや反射材を併用して、周囲に自分の存在をアピールしなければなりません。

子供用の傘が目立つモデルならば、大人のおしゃれなモデルはエレガントで良質なモデルが一つの答えになります。ダンディズムを体現した元祖おしゃれな存在であるボー・ブランメルは、「おしゃれの要諦はすれ違っても振り返られずに目立たないこと」だと言葉を残しました。一挙手一投足が新聞のニュースになったようなブランメルが言うだけあって、実に奥が深い言葉になります。大人のおしゃれは悪目立ちせずに奇抜でもなく、しかしその人の魅力を引き出してくれて、清潔で理知的であることが求められるのです。

大人の傘に当てはめると、透明なビニール傘は除外されます。開くと破けていたり骨が曲がっているような物も、悪目立ちしてしまうことになるのです。グリップにシルバーのブルドッグがデザインされていたり、フレームに宝石が埋め込まれているようなことが悪趣味と見られて悪目立ちする可能性も少なくありません。大人のおしゃれはさりげなくエレガントでなければいけないのです。